野口種苗ロゴ

2009.12.17 10:05〜10:55
NHKラジオ第1放送
「ラジオビタミン/ときめきインタビュー」

野口 勲と、村上信夫アナウンサーと、歌手の神崎ゆう子さん。
(NHK放送センター13Fのスタジオにて)

以下は徳島の井内英司さんが一言一句聞き漏らさず記録された放送内容のすべてです。
井内さんのホームページから全文コピーさせていただきました。


手塚治虫メーリングリストで、野口さんご本人から生出演されることを知って、エアチェックしました。
(NHKラジオ第1放送をエアチェックするのは初めてでした)
以下、ラジオビタミンのページから引用します。

日本の個性豊かな伝統野菜が、今、姿を消そうとしています。
そんな中、「固定種」と呼ばれる昔ながらの伝統野菜の‘種’を専門に扱う種苗店を営む野口勲さんは、
漫画編集者からタネ屋に転じたという異色の経歴の持ち主。
過去、手塚治虫氏担当の編集者として「火の鳥」などにかかわるも、30歳の時、日本の野菜栽培の
現状への危機感から家業の種苗業に転じました。
固定種の復権を夢見る野口さんの「種」の話を通して、人間と食・自然とのかかわりをみつめていきます。

MCは、アナウンサーの村上信夫(むらかみのぶお)さん、歌手の神崎ゆう子(かんざきゆうこ)さんです。


♪音楽

村上さん:12月17日木曜日のラジオビタミン10時台のスタートです。村上信夫です。
神崎さん:神崎ゆう子です。
村上さん:えー10時台はときめきインタビューです。
     えー畑で育つ野菜、この野菜作りもまずは、種まきからですよね。
     えー当然ながら種がなければ野菜もできない。
神崎さん:はい。
村上さん:えーきょうのゲストはですね、埼玉県の飯能市(はんのうし)で野菜の種を扱う種苗店を
     営む野口勲さんです。ようこそお越しくださいました。
野口さん:よろしくお願いします。
神崎さん:よろしくお願いいたします。
村上さん:先日あのわたしも埼玉の飯能まで行ってきて。
神崎さん:ええ。
村上さん:結構、遠かったですけども。
野口さん:(笑)
神崎さん:(笑)
村上さん:ま、池袋からでも電車で1時間ほどですかね。
神崎さん:そうですね。
野口さん:はい。
村上さん:えー、で飯能の駅からさらに車で10分ほど。山に囲まれたこの1本道を行きますとです
     ね。大きな赤い旗が目立つんです。たーねと書いてあるんですけれども。
     そしてなんとですね、店の入り口ではね、鉄腕アトムと妹のウランちゃんが出迎えをして
     くれる。
神崎さん:おー。
村上さん:で、ふと見上げると屋根の上にはね火の鳥がいる。
     なんだろうここは種屋さんなのかアニメの制作所なのかと思いましたけど。(笑)
野口さん:(笑)
神崎さん:なにか種と関係があるのかな?
村上さん:えー、で店ん中に入りますとたくさんの種もあるんですが、アトムとか火の鳥などですね
     手塚マンガのほとんどが書棚に並んでるんです。えー実はこの野口さんは家業を継ぐ前に
     手塚治虫さんの担当編集者をしていたという、経歴の持ち主で。
神崎さん:わー。
村上さん:よく見るとほらアトムに似てません?(笑)
神崎さん:はいー(笑)いま目をきゅっと開いたところそっくりです。
野口さん:(笑)
村上さん:大きなおめめがね。えー。
     えー店の看板は当然ながらこの手塚プロの公認なんですけど。
     ちなみにあの余談ですが飯能には鉄腕アトムの像もありまして、銅像が、ね。
神崎さん:ほー。
村上さん:これもなんか野口さんが。
野口さん:はい。仲間といっしょに。
村上さん:いっしょに。
野口さん:はい。
村上さん:えー1983年の除幕式には、手塚治虫さんも出席したということですねー。
神崎さん:なるほどはい。
村上さん:えー1944年東京青梅市生まれの65歳でいらっしゃる野口さんですが、大学の2年生
     のときに大学中退して、虫プロに入ってしまった。
野口さん:はい。
村上さん:ねー。これ、も、よっぽど手塚さんが好きで好きで。
野口さん:はい。こどものころから。
村上さん:はい。
野口さん:小学校からですね、ずっと。
村上さん:あのーたとえばどんなマンガに熱中してました?
野口さん:んーぼくはおもしろブックという雑誌をその幼稚園の時からおやじ買ってくれまして、
     で、それずっと読んでたんで。そのころは、え、ライオンブックスシリーズという短編
     ですね。まあ、あのー。
村上さん:じゃあ鉄腕アトムとかそういうみんなが知っているものよりも短編シリーズ。
野口さん:そうですね。非常にハイブローなマンガでしたね。
村上さん:ハイブローな。
野口さん:こどもにとっては。
村上さん:ねえ。
野口さん:はい。
村上さん:でもなんかひきつけるものがあったんでしょ。
野口さん:うーん、ほんとうにーなんて言ったらいいんですかね。こんな世界があるのかと、
     いう感じでしたね。もちろんあのアトムなんかも見てましたけどね。
神崎さん:うーん。
村上さん:なんかただの勧善懲悪じゃないんですよね。手塚治虫さんのマンガっていうのは。
野口さん:そうですね。非常に複眼的なんですね。
村上さん:複眼的。うーん。
野口さん:あのー読み返せば読み返すほど、非常に深い、あのー、要するに悪人にもみんなそれぞれ
     の理由があって、あの人生があるということがなんか伝わるようなマンガでしたね。
村上さん:ねえ。
神崎さん:あのー学校の図書館にもね、
村上さん:うん。
神崎さん:手塚さんのあのマンガがいっぱい置いてあるんですよ。
村上さん:そうそうそうそう。
神崎さん:はい。こどもたちにいまでも人気です。
村上さん:ねえ。でもちいさいころからマンガの仕事いつかしたいなと思ってたんですか。
野口さん:うーんやっぱり小学校の5〜6年になってほかの、マンガが好きだったんですけど、
     手塚治虫のマンガはほかと違うなという感じがして。
村上さん:違って。
野口さん:はい。
村上さん:はーそういうメッセージ性がね。
野口さん:そうですね。
村上さん:うーん。でもそのー種屋さんの跡継ぎでしょ。三代目でしょ。
野口さん:うーん、それよりも手塚治虫のそばで暮らしたいというかですねー。
村上さん:(笑)そうなんですか。
神崎さん:そっちの気持ちがまさっちゃったわけ。
村上さん:だけどおとうさんはやっぱりあの園芸学科へ行きなさいとかそういうふうに言ってたん
     じゃないですか。
野口さん:あー言っていましたね。千葉大学の園芸学部へ行きなさいと種屋のせがれはみんな行って
     るんだからと言われましたけども。
村上さん:でそれを右から左にこう受け流して。
野口さん:はい。
神崎さん:(笑)
村上さん:で大学行って。大学も結局
野口さん:国文、国文ですね。
村上さん:国文でしょ。セイジョウ大学の国文に行って。
     で大学2年の時にその募集があるのを知って。いてもたってもいられなくなって。
野口さん:はい。応募したら受かっちゃったんで。それで中退ですね。
村上さん:大学も辞めてしまって。
野口さん:はい。
神崎さん:うーん。
村上さん:ねえ。それで手塚さんのかたわらで、その編集の仕事をした。
野口さん:はい。
村上さん:ねえ。まぢかで見た手塚治虫さんてどんな人でした?
野口さん:そうですねー。まあ、、ふつうのおとなですけれど、とにかく仕事は天才ですね。
村上さん:はあー。
神崎さん:天才。
野口さん:はい。もうふつうの人間よりも、なんて言うんですかね、やっぱりまあ作品見ていただけ
     るれば読んでいただければよくわかると思うんですけれど
村上さん:ええ、ええ、ええ、ええ、うーん、うーん。
神崎さん:うーん。
野口さん:とにかく、うーんひと言では言えない。
村上さん:なんか記憶力、記憶力がすごかったんでしょ。
野口さん:記憶力っていうんですかね。なんでしょうね。
村上さん:ええ、ええ、ええ。
野口さん:とにかく、えー、、、もう前の晩にゼロから、ま、白紙から書いた原稿20ページ30
     ページのものを
村上さん:ほう。ええ、ええ。
野口さん:翌日1コマ目からメモも見ないでずーっと、あの、言ってね。
村上さん:覚えてる。頭の中に全部入ってるんですか。
神崎さん:え、何コマ目になにが書いてあるということを覚えてらっしゃる。
野口さん:そうですねー。
神崎さん:はあ。
野口さん:アシスタントに指示するときも
神崎さん:ええ。
野口さん:えーぼくの本棚の上から何番目の右から何番目にこういう本がありますからそれを持って
     きてその何ページ目の右上のほうにこういう写真がありますからそれを書いてください
     なんてことをねメモをなに1つ見ずに、えー、、まあ指示するような人でしたね。
神崎さん:えー。
村上さん:(笑)へー。
野口さん:電話でそれを指示しちゃうんですからすごいですね。
村上さん:編集者いらないじゃないですか。
野口さん:ええもうただ付いてるだけです。順番待ってるだけで。
村上さん:(笑)
神崎さん:うわー野口さんが天才っておっしゃるのがよくわかりますね。
村上さん:いうぐらいの。そうそう。実はことしの正月あのー長男の真さんをスタジオにもお呼び
     したんですけれどもね。
神崎さん:ええ。
野口さん:ああそうですか。
村上さん:やっぱりおやじはすごいといってやっぱり尊敬をしてましたけどもね。
神崎さん:うーん、そうですねー。
野口さん:まこちゃんが5〜6歳のころでしたね。
村上さん:ねえ。
神崎さん:うーん。
村上さん:なんかあの成長したあのアトムのあのーマンガがあるんですが、実はこのその背広を実は
     着ているめずらしい、ね、アトムの姿なんですが
野口さん:はい。
村上さん:この姿が、野口さんに似ているって言われた。
野口さん:いやそれうーんまあはっきりはわかんないですけれど、ちょうどその格好で、大学のそれ
     制服なんですよね。そういう格好が紺の背広の上下。でそれで
村上さん:ウランちゃんも横でスーツ着てますけどね。はい、はい、はい、はい。
神崎さん:(笑)
野口さん:(笑)でそれで行って仕事をしてたもんですからね、
村上さん:ええ、ええ、ええ。
野口さん:だから同僚が、これは野口がモデルじゃないかって言われたりしたことがあります。
村上さん:おー。じゃあアトムちゃんなんて呼ばれてたんですか、ひょっとして。
野口さん:ちょこっと言われましたけどね。
村上さん:あーそうですかー。でやっぱりそのーかたわらで仕事をしてたってことはもう、ま、
     手塚さんが亡くなったあともあるいは虫プロをお辞めになったあともいつまでもこう脳裏
     には残っていると思うんですがやっぱりいまでも仕事をしてても、なんか手塚さんのこう
     仕事ぶりだとか手塚さんがやってた、やってきたこうー仕事っていうことはつねにこう離
     れずに、ありますか。
野口さん:うーん、あのー、仕事ぶりよりもその、書かれたマンガですね。やっぱり小学生時代から
     ものごころついた時には手塚マンガがもう頭のなかに染みこんじゃってますから、
     手塚治虫のその考え方というか、それがこう自分の身に染みついちゃってるって気がしま
     すね。
村上さん:その考え方というのは。
野口さん:えーなんていいますかねー。
村上さん:ひと言で言いますと。
野口さん:やっぱり火の鳥とかその生命を大切にとかですね、それから地球環境を大事にしようとか
     ですね。そういったことでしょうかね。
村上さん:そういう、ま、いのちへの思いですとか地球への思いっていうのはひときわ強いかたなん
     ですものねー。
野口さん:ですね。はい。
村上さん:でその野口さんはその虫プロを67年に、あの退社されたあとも家業を手伝いながらあの
     マンガの編集の仕事も続けてたんですが、
神崎さん:はい。
村上さん:えー虫プロが、これ、ま、世の中のかた当時のかたはご記憶のかた覚えてらっしゃると思
     いますけど73年に倒産しちゃうんですね。
野口さん:はい。
神崎さん:うん。
村上さん:で、ある種、こういうことばを使っていいかどうかわかりませんが、しかたなしにその
     家業の(笑)
野口さん:あのーいちじあのーほかの出版社でマンガの仕事もしたんですけどね。
     あのー虫プロでやってたときと全然違うんですよね。
村上さん:うーん、やっぱり虫プロ時代がよくて。
野口さん:はーい。もうなんていうかなー。あのー、えー、たとえば木枯し紋次郎がはやると、
村上さん:うん。
野口さん:笹沢左保(ささざわさほ)の原作をなんでもいいからもらってこいと。
村上さん:うん。
野口さん:で安い、あのページ、稿料の安いマンガ家にそれを書いてもらえと。そういうようななん
     か、うーん、こどもだましみたいな仕事ー
村上さん:は、やってられないと。
野口さん:うーん、やりたくなくなっちゃったんだね。
村上さん:はー。
神崎さん:野口さんはもうほんとうにこだわってらっしゃったんですね。
野口さん:そうですね。
村上さん:そう、手塚マンガの種がなくなったところで、こんどは実家の種のほうに、はまったって
     いうのが30歳のときでございます。
神崎さん:(笑)
村上さん:さあじゃあ野口さんのリクエスト最初の曲は、ジョーン・バエズでドンナ・ドンナ。


♪ドンナ・ドンナ/ジョーン・バエズ


村上さん:いやーなつかしいなージョーン・バエズの曲ドンナ・ドンナ、聞いていただきました。
     これどんなときに聞いていらした曲なんですか。
野口さん:学生時代にだいたい深夜放送をぽけーっと聞いているときに突然流れたんですね。
     このー、なんていうかなー、ジョーン・バエズの天使のような声がものすごいこう印象に
     残りましたね。
村上さん:はーあ。
神崎さん:うーん。
村上さん:学生時代っていっても1年あまりの学生時代ですよね。
野口さん:そうですね。
村上さん:(笑)
神崎さん:へー、ねー。でもこれ教科書とかにも載ってましたよね。
村上さん:最近の若い人は教科書で知ってる
野口さん:うちの息子なんかも教科書で聞いたって言ってますね。
神崎さん:うーん。
村上さん:そうですか。どんな歌って感じですよね。
神崎さん:はぁ?(笑)
村上さん:(笑)
     えーきょうは、埼玉県飯能市で野菜の種を扱う種苗店を営んでいらっしゃる野口勲さんに
     お越しいただいてお話を聞いていますが、このー、ま、ご実家の種屋さんがおじいちゃん
     の代から伝わっている親子3代
野口さん:はい。
村上さん:ちょうどことしが創業90年。
神崎さん:うーん。
野口さん:そうか、そうなりますか。
村上さん:1929年創業ですね。
野口さん:ああそうですね、そうなりますね。
村上さん:気付いてませんでした?(笑)
野口さん:気付きませんでした。
神崎さん:90年!
村上さん:ねーえ。で、いまこれからご説明いただきますが、その固定種(こていしゅ)と呼ばれる
     日本の昔ながらの伝統野菜の種を専門に扱っている、ま、おそらく日本で唯一の店では
     ないかということだそうです。
野口さん:それだけというのはたぶん唯一ですね。
村上さん:さあこの種。あの、大きく分けて固定種とF1種(エフワンしゅ)というのがあるんです
     が、放送をお聞きのみなさんご存じでしょうか。
     そのまず固定種というんですが、ちょっとわたしもにわか勉強しましたが、えと、固定と
     いう名前がついているぐらいですから、その色とか形とか味とかが固定されていると
野口さん:はい。
村上さん:いうふうに思ったらいいですか?
野口さん:だいたい。
村上さん:だいたい。で、えー日本の各地の風土に根ざした昔ながらの伝統野菜とか地域野菜、
     たとえばほら聖護院大根とか
神崎さん:うん。
野口さん:はい。
村上さん:野沢菜とか
神崎さん:練馬
村上さん:練馬大根とか
神崎さん:大根とかもそうですか。
村上さん:ありますよね。
神崎さん:はい。
村上さん:そういう土地の気候風土とか作り方に適応して生まれてきたもの。
野口さん:はい。
村上さん:これで合ってますか。
野口さん:そうです。
村上さん:よかったですか。
野口さん:はい。
村上さん:あーよかったよかった。
神崎さん:固定種。
村上さん:で、これは1回種買ったらあとは全部自分で
野口さん:取れます。
村上さん:採種して。
野口さん:はい。
村上さん:商売になんない、商売にはあんまりこう
野口さん:ただ、でもやっぱり交雑するんですね。あのー一般の人がやってると近所で同じ仲間、
村上さん:あー。
野口さん:練馬大根作ってんのにそばに別の大根作ってるとその花粉がかかりますからね。
村上さん:ええ、ええ、ええ、はい、はい、はい。
神崎さん:あー。
野口さん:だから一度作るあの、買っていただくと3〜4年はまあ種取りをして4〜5年、あの
     3〜4年たったら
村上さん:うん。
野口さん:えー返っちゃったからまた買いに来たいっていうような感じ
村上さん:あー。
野口さん:返っちゃったんじゃなくて交雑したんですけどもね。
村上さん:自然に。
野口さん:はい。
村上さん:土の中で。
野口さん:いや土の中じゃなくてね。ミツバチやなんかが
神崎さん:花粉で。
野口さん:花粉を。
村上さん:花粉で。あー。
神崎さん:はー。
村上さん:じゃまた4〜5年すればまたあの種を。
野口さん:そうですね。
村上さん:だいたい種安いんですよ。これちょっといまひとつ
     (種の袋を振る音)
神崎さん:いっぱいはいってそう。
村上さん:これサヤエンドウの種なんですが、なんと3百円。みんな3百円均一なんですよ。
野口さん:うん。
神崎さん:ふーん。
村上さん:じゃ続いてこれ
     (音)
村上さん:これひょうたんの種、ちょっと静かでしたね。
野口さん:うん。
村上さん:小かぶ
     (音)
神崎さん:あーちょっと細かいんですかね。小かぶ。
野口さん:細かいですね。
村上さん:みんなね、3百円均一なんですよ。
神崎さん:ふーん。
村上さん:安いですよねー。
野口さん:うーん、まあ固定してるのはそんなもんですね。
村上さん:あ、味も固定してるわけですね。
野口さん:はい。(笑)
村上さん:あ、値段も固定してるわけですね。
野口さん:あ、値段も。F1はもっと高いです。
村上さん:あ、さあそのF1なんですが、そのー、F1というのはこれ英語で言うと?
野口さん:えーとファースト・フィリアル・ジェネレーションですか。
        (first filial generation)
神崎さん:あ、フォーミュラーワン(formula 1)じゃないんですか。
村上さん:ちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃうちゃう。
神崎さん:(笑)
村上さん:いい発音ですね。ファースト・フィリアル・ジェネレーション。これ日本語にしますと?
野口さん:えー1代雑種。雑種ですね。
村上さん:雑種。
神崎さん:ほー。
村上さん:あのいまよくほらハイブリッド(hybrid)っていうじゃないですか。
野口さん:はい、あれも雑種ですね。
村上さん:種のハイブリッドですか。じゃあ。
野口さん:そうです。
村上さん:じゃあつまり、えっとー、違う親どうしをかけあわせて作るという
野口さん:そうですね。
村上さん:いうことでいいですね。
野口さん:いまはそれが4元交配5元交配とか、いろんなものをかけあわせていますね。
村上さん:交配交配繰り返されて、はー
神崎さん:早く育つんじゃなくって、そういうふうなかけあわせの種なん
野口さん:雑種にするとあの雑種強勢という力が働いて
村上さん:うん。
神崎さん:は。
野口さん:で生育が早まったりそれから大きくなったり、それから収量が上がったりそういうことが
     あるもんですからね。
村上さん:ということはいまのご時勢に合っているわけだ。大量生産大量消費。
野口さん:そうですまさにそのとおりです。
村上さん:まさに。大きさもいっしょ。収穫量もたくさんあるし。色や形も、あのー、よりもその
     なんかその、保存性もこう優先してる
野口さん:そうですね。まあ日持ちもよくしてますね。
村上さん:日持ちもよくしている。
神崎さん:あーなるほどー。
村上さん:だからいまだいたい大手のその青果市場だとかー、あの売り場に行くとあるのはだいたい
     似たような
神崎さん:はい。
村上さん:おんなし形をした
神崎さん:きれいに並んでますよねー。
村上さん:おんなし色をした野菜が多いです。
野口さん:工業製品みたいな野菜になってますね。
村上さん:昔はほらきゅうりでもなんかけっこう曲がったきゅうりとかあったじゃないですか。
神崎さん:曲がったりなんかぶつぶつがすごかったり色もいろいろだったり。
村上さん:ちょっと見た目があんまりよくなさそうな。
野口さん:はい。大根なんかでも昔はいろんな大きさがありましたから一貫目いくらとか重さ計って
     売ってたんですよね。
村上さん:はー。
神崎さん:はー。
野口さん:いまはあのおんなじですから1こいくら1本いくらで売れる時代になった。
村上さん:グラムでおっしゃらずに一貫というところが野口さんもあのお歳がだんだん。
野口さん:三代目ですから。(笑)
村上さん:(笑)
神崎さん:(笑)
村上さん:て、いうことでそれだけやっぱりF1と固定がまあ違うわけですけど、その固定を専門に
     扱ってらっしゃるのはなぜなんですか。
野口さん:やっぱりあのー種が取れるというか、いのちが続くというか、その点ですよね。
村上さん:いまさらっとおっしゃいましたが、いのちが続く。
野口さん:はい。まあーその野菜から種を取るとまたおなじものができて、
村上さん:うん。
野口さん:でそれが季節の変動とかですね、たとえば地球のあのーなんですか温暖化とかそういった
     状況に合わして野菜が自分でえー適応して、変わっていく。
村上さん:なるほど。
野口さん:はい。
村上さん:自分で適応して。
野口さん:はい。
村上さん:はー。
神崎さん:自分のちからを発揮するんだ。
村上さん:発揮できるという。
野口さん:はい。生命力を発揮してくれますね。
神崎さん:ふーん。
村上さん:これぼくね、あのたとえ話をいろいろ考えたんですけどやっぱりぼくはことばをなりわい
     にしてますからたとえばことばで言えばあの共通語っていうのが明治以降
野口さん:はい。
村上さん:全国に流布しましたけども方言っていうのはだんだんそのおかげでなくなってきてますよ
     ね。
神崎さん:ふーん。
村上さん:そんな感じですかね。固定種っていうのは方言で、
野口さん:そうですね。
村上さん:F1種っていうのは共通語みたいな。
野口さん:うーん。
村上さん:違う。微妙に違う。
野口さん:ちょっと違う。違いますね。(笑)
村上さん:一生懸命がんばってたとえを考えたのに。(笑)
神崎さん:ふーん。
村上さん:近いものもあるけど違う。
野口さん:近いところもありますけどね。
村上さん:はー。いや、だってほらそのー練馬なら練馬の大根があったのにいまはどこにいっても
     おんなじ大根になっちゃってるっていうことでしょ?
野口さん:はい。そうですね。青首大根ばっかりになりましたね。
村上さん:あーそうですよねー。だからちょっとそういう部分があるのかなと思ったんだけど、
     なにが微妙に違うんですか。
野口さん:うーん、たとえばですね、あのー江戸近辺、東京近辺は昔は青首大根きらったんですよね。
村上さん:あー。
野口さん:えーあの青首大根漬けるとあのー青いところが黒ずむんで。
村上さん:ええ。
神崎さん:うーん。
野口さん:だからたくわんにはもうあの白い大根、練馬大根みたいなものしか使わなかったんですけ
     ど青首大根ばっかりになっちゃったから青首大根を、そのー、たくわんにもせざるを得な
     くなった。
村上さん:せざるを得なくなった。
野口さん:はい。そのーでもやっぱりどうも黒ずむのがいやだというんで、いま青首大根がだんだん
     色を淡くしてますね。
村上さん:へーえ。
神崎さん:へーそういうこともできるんだー。
野口さん:はーい。
村上さん:はーはー、じゃあ共通語もちょっと変化をしてきてるということですね。 野口さん:そうですね。
村上さん:じゃあ完全に共通語にこう席巻されるとも一様にいいにくいということがそこにあると
     いうわけですね。
野口さん:やっぱりその土地その土地の、うーん適応というか
村上さん:F1種もだからその適応せざるをえない部分もでてきているという
野口さん:そうですね。あの使いみちによりますけれどね。
村上さん:いうことですかね。
神崎さん:ふーん。
村上さん:じゃ味がどう違うかということなんですが、ちょっと実はきょうここにえー、カブを
野口さん:はい。
村上さん:持ってきていただいた、カブをいま薄く
神崎さん:はーい。
村上さん:えー切り分けていただいておりますね。
神崎さん:一口大に切ってあります。
村上さん:一口大に切って。これ生で。
野口さん:はい。
村上さん:じゃあ、F1という種のほうからいただいてみましょうかね、わたくし。
神崎さん:はい。あ、やっぱり味も違うのかなー。
村上さん:えー、ちょっとどんなに違うかというですねー、じゃあ。
神崎さん:はい、じゃあ村上さん。
村上さん:あ、ぼく手でいいですか。
神崎さん:あ、そうですか。
村上さん:神崎さんはあの、ちゃんとおはしで。
神崎さん:おはしで。
野口さん:(笑)
神崎さん:いただきまーす。いただきます。
村上さん:F1いきます。
     (そしゃく音)
神崎さん:うん。いつもいただいてる味かな。
村上さん:ていうかなんかまあ味がないっていう感じですかね。
神崎さん:うん。あの
村上さん:これだけだったら。
神崎さん:まあ。
野口さん:ちょっとかみ切りにくいんじゃないですか?
神崎さん:はー。
村上さん:そうなんです。わたし歯がわるいせいもありましてちょっとかみ切りがわるい。
神崎さん:そうです何回も何回もかんじゃいました。
野口さん:はい。
神崎さん:うん。
村上さん:うん。はい。じゃ続いて。
神崎さん:はい。
村上さん:固定種いきますか。
神崎さん:はい。こちらですね。
村上さん:じゃあ、はいすみません。じゃ一ついただきます。
     あ、なんか見るからに身がひきしまっているように感じるのは気のせいか。
神崎さん:厚めの
村上さん:うん。いきます。
     (そしゃく音)
村上さん:甘い。
     (そしゃく音)
村上さん:どう?
野口さん:かんたんにかみ切れるでしょ。
神崎さん:はい。
野口さん:で肉質も、ち密、甘みがある。
村上さん:うーん甘みがある。
神崎さん:あのそうそうぎゅっと詰まっている感じがしました。
村上さん:いやまず食べた瞬間に甘いと思うよ、うん。
神崎さん:あとねなんかあんまり水っぽく、なんていうんでしょう、あのー、じゅーっとこう、出過
     ぎない。ちゃんとカブのこう、しまった味がしました。
野口さん:はい。
村上さん:論より証拠ですねー。
野口さん:まあよく
神崎さん:でも完全に
野口さん:百聞はひとくちにしかずというんですけどね。
村上さん:いいええそうですよねー。
神崎さん:歯ごたえはなんか完全に違うような気がします。
村上さん:これーF1ていうのはだからまあ極端に言えば1年中どこでも栽培できるわけですよね。
野口さん:そうですね。
村上さん:で固定種ってのはもう時期がやっぱり旬が
野口さん:旬がありますね。
村上さん:あるということで。しかもやっぱりこう、あの露地で風雪に耐えながら甘みを、あの、
     うまみを蓄えるっていう部分も
野口さん:ありますね。
村上さん:固定種だったらある。それだけ味も違う。しかもあれですかねーたとえば煮た場合でも
     あのーこう、なんか煮え方とかそういうのも違ってくるんですか。
野口さん:んー、ま、カブの場合はそれほどたぶん変わんないと思うんですけど
村上さん:ええ。ただ大根なんかだと
野口さん:大根なんかだと大きく違いますね。
村上さん:はー、どっちがどうなんですか?
野口さん:んー、あの昔の大根のほうが、あのー固くて、えー辛いですね。
神崎さん:はー。
野口さん:でー、いまの大根は水っぽくて甘い。そのかわり煮るとすぐ煮えるんですけど
神崎さん:煮崩れしちゃう。
野口さん:煮崩れしちゃう。
神崎さん:あーでもうちそうですね。カブそうかもしれない。おみそ汁なんか作るとわりとすぐもう
     やわらかくなりますねー。
野口さん:はい。
村上さん:なるほどどうですかね、だいぶ放送きいているかたもおわかりになってきましたでしょう
     か、F1と固定種の違いがね。えー。
神崎さん:これほんとみなさんに召し上がっていただきたいですね。
村上さん:さっきことばに置きかえましたけど、ま人間でいうとその個性的な顔がいま少なくなって
     きてるって感じですかね。
野口さん:そうですね。みんなおんなじ顔にしちゃったのがF1でしょうね、はい。
村上さん:やっぱり地方色豊かな食文化というかその土地土地のお顔が固定種だという。
野口さん:そうですね。カブでしたらかぶら寿しだとかね。はーい。いろんな料理法がありますから
     その土地の料理法に合ったいろんなカブがあるわけですね。
村上さん:この時期北陸やなんかに行くとかぶら寿しおいしいですもんねー。なるほどなるほど。
     えーその北陸の石川県のヤノノリコさん。
     わたしはあのー焼き肉屋さんにえー野口さんところのえー種の、サンチュの種から育てた
     ものを出荷していますと。
野口さん:ほう。
神崎さん:へえ。
村上さん:スーパーマーケットにはない大ぶりで肉厚なサンチュです。
     あのこの焼き肉なんかによく(聞き取れず)
神崎さん:はい、あのレタスみたいな大きな葉っぱ。はい。
村上さん:そう。産直の市場に細々と出していましたら焼き肉屋さんの目にとまり
野口さん:はあ。
村上さん:電話が掛かって契約していただくことになりました。
野口さん:なるほど。
村上さん:有機肥料も使ー、いちおう有機肥料も使い農薬も使わずに、えー安心安全をモットーに
     出していますと。地域の焼き肉屋さんなので会う人においしいサンチュやねえと言われて
     ほめてもらっています。いま雪降るハウスのなかで、すくすくと育って、忘年会シーズン
     の出番を待っています。
野口さん:(笑)
神崎さん:ふーん。
村上さん:ねえ。
野口さん:ありがたいですね。
村上さん:こうやっていまーあのーのちほどもうちょっと詳しく伺いますがインターネットで全国に
     販売をしていて、全国に顧客はどれくらいいらっしゃるんですか。
野口さん:んーと顧客名簿は1万2千を超えて3千に近くなってますね。
神崎さん:まーあ。
村上さん:そうですかー。じゃあそのなかのお一人と、いうことですねー。
     えー感想を聞いてまたあの放送を聞いての感想メッセージ質問などをお寄せください。
神崎さん:はい宛先です。パソコンのかたはラジオビタミンのホームページから、
     携帯電話のかたはそれぞれのインターネットのメニュー画面からテレビ、NHK、ラジオ、
     ラジオビタミンとお進み下さい。
     ファクシミリのかたは03、5455の4141、03、5455の4141です。
村上さん:ごめんねおいしいからまた食べちゃった。
神崎さん:(笑)
村上さん:ほんとに。あ、曲紹介しなくちゃいけないんだ。
神崎さん:はい、お願いします。(笑)
村上さん:ザ・ロバーツ・ブラザーズで、100マイルズ&モア。


♪100マイルズ&モア/ザ・ロバーツ・ブラザーズ


村上さん:10時半のニュースは井上二郎アナウンサーです。井上さん、お願いします。


(ニュース)


♪音楽

村上さん:えーかつては手塚治虫さんのもとでえーマンガ作りのお手伝いをしていた野口勲さん、
     いまは、えー三代目の種苗店のご主人としてね
神崎さん:はーい。
村上さん:固定種、えー昔ながらの伝統野菜の種を、ま、一生懸命こう広げる活動をしている
     野口勲さんにきょうはお話を伺っております。
神崎さん:はい。えー、アントニオえーイノチさん
村上さん:アントニオイノチさん!
神崎さん:いただきました。埼玉県の男性ですね。40代のかた。
     わたしが生まれて初めて買ったマンガ本は鉄腕アトムでした。手塚さんの話を聞かせて
     いただいてありがとうございます。いのちを大切に大事にすることを手塚さんから学んで
     いることにも、ことに、マンガも啓蒙だと感激しました。
村上さん:うん。
神崎さん:種の話も楽しく聞かせていただいておりますよーということです。
村上さん:はい。
野口さん:ありがとうございます。
村上さん:さああのその固定種、いまあのさきほど聞いたインターネットで1万2千とか3千とか
     顧客がいらっしゃるということですが、これもうインターネット、やっぱこうお店に直接
     買いにくるかたよりももうほとんど
野口さん:ほとんどが
村上さん:インターネット。
野口さん:はい、ネットですね。
村上さん:ネット販売始めたのはいつごろからですか?
野口さん:えっとー、、2000年の秋からですね。
村上さん:あ、じゃ結構早くから導入して。野口さんてあの結構そういうデジタル、人間だったんで
     すか?
野口さん:いや、マッキントッシュのおかげですね。
村上さん:あー。それがもうまた出たころから。
野口さん:はい。出たころでもないですけど安くなったころからですね。
村上さん:で一生懸命自分でそれも、勉強して
野口さん:はい。独学です。
村上さん:独学で。で、えーだいたいそのお客さんはその1万2〜3千人どういうかたが多いですか。
     年代からいうと。
野口さん:うーんあのーとにかく注文があって送っているだけというのがほとんどなんで、
村上さん:はい。
野口さん:あのーお客さんからなんかこうーホームページ作りましたから見て下さいとか
村上さん:あー
野口さん:そういうことでだいたいわかるんですけどね。
村上さん:ほーほーほー
野口さん:年齢もわからないまま送っているようなのがほとんどですけど、
村上さん:ふーんふーんふーん
野口さん:だいたい感じとしては
村上さん:ふーん
野口さん:6〜70代と30代ぐらい、お子さんを育てている人たちと
神崎さん:あー。
野口さん:だいたい仕事定年だったり、あのー退職して
神崎さん:楽しみながら
野口さん:はい。楽しみながらという人ですね。
村上さん:大きく分けるとね。
野口さん:はい。
村上さん:ということは60代以上のかたっていうのはもうやっぱり昔の味を懐かしんでという
野口さん:そういう人多いですね。
村上さん:感じですかね。
野口さん:もうそういう人はまあ70〜80になっちゃいますけど。
村上さん:はー。
神崎さん:ふーん。
村上さん:で、30代ぐらいだと子育て中で?
野口さん:はい。こどもにまあ安心安全なものを食べさせたいという人たちですね。
村上さん:あー、いうかたちでねー。
神崎さん:ふーん。
村上さん:これほとんどいまあのまあ週末にこう家庭菜園をやるかたも増えてきてますが家庭菜園を
     楽しむ人たちが多いですか?
野口さん:やっぱりそれでないとー、あのー、出荷する野菜としては固定種向かないですからね。
村上さん:ええ、ええ、ええ、ええ。
野口さん:はい。均一にいかないですからどうしても、あのーはねだし、あの出荷するためには規格、
     規格にそろわないとだめですからね。
村上さん:うーん、うーん。
神崎さん:これ1袋から送っていただけるんですか?
野口さん:はい1袋からお送りしてます。
神崎さん:あ、じゃあもうたくさんのかたもそれこそなん
村上さん:ちょっと3百円だと送料のほうが高くつきそうですね。
野口さん:いや、あの種はね、あの送料安いんです。
村上さん:あ、そうなんですか。
野口さん:うん、普通の郵便てのは20グラムで80円ですけど
村上さん:はい。
野口さん:種は50グラム70円という
村上さん:あーそうですか。
野口さん:はい。第四種郵便てのがありますんで。
村上さん:第四種郵便で。
神崎さん:370円で1袋。
野口さん:そうですね。
村上さん:売ってもらえる。
神崎さん:ふーん。
村上さん:ああじゃあ、みやま小かぶ1袋でも売ってもらえるわけですか。
野口さん:はいはい。
村上さん:はーあ。
神崎さん:たくさん買われるかたはそれはもうなん袋と頼んで。
村上さん:ねーえ。
神崎さん:ねーえ。
村上さん:これね、いまその種の袋の話がありましたけどもいっぱいいろんなこと書いてあるでしょ?
     いまちょっとそのさっき話題の、みやま小かぶを持ってますが、もう一度ちょっと音聞い
     ていただきましょう。
     (音)
神崎さん:あーいっぱいはいってる。
村上さん:♪ずんずんずん、ずんずんずん、鈴が鳴る
     (音)
神崎さん:♪ちゃんちゃんちゃーちゃちゃ。
     鈴じゃないし。
村上さん:(笑)
神崎さん:(笑)
野口さん:だいたい2千粒ぐらい入ってます。
村上さん:これに!?
神崎さん:は。
野口さん:はい。
村上さん:へーえ、あのまあ、薬のいただく処方せんー
神崎さん:ぐらい。
村上さん:の一回り小さいくらいの袋ですよね。
神崎さん:ちょっとそうですね。はい。
村上さん:でいっぱいいろんなこと書いてあるんですよ。まずねーえー、みやま小かぶの特徴が書い
     てあるでしょ
     えー玉割れが少なく肉質が、ち密で甘味がありおいしいと書いてあるんですね。
神崎さん:で写真ももちろん載ってますねー。
村上さん:載ってます。で用途。
     生でかじっても柔らかくおいしい。
神崎さん:おいしかった。
村上さん:サラダ、浅漬、味噌汁の実、和え物、煮物などによいと。
神崎さん:うん。
村上さん:葉っぱも美味。薄くスライスして昆布と甘酢で漬けて千枚漬けにもできると、
野口さん:はい。
村上さん:くわしく書いてあるんですね。
神崎さん:あら、料理方法まで。
村上さん:さらに
神崎さん:うん。
村上さん:これ来歴って書いてあるんですけどこれなんすか。
     野口種苗育成昭和26年、昭和30年代から40年頃にかけて、うんぬんかんぬんて
野口さん:はいはいはい。
村上さん:これ、なんなんなんですか。
野口さん:えーと日本の種の原種コンクールってのがあってそこで農林大臣賞をいただいたりしてた
     んで。
村上さん:肝心なところを読まなかったですね(笑)
野口さん:はい(笑)
村上さん:農林大臣賞連続受賞って(笑)
神崎さん:大事大事、大事です(笑)
村上さん:失礼しました。(笑)これようするにこの、みやま小かぶの、ま、プロフィールですね。
野口さん:そうです。
村上さん:そういう経歴を持ってるんだと。
神崎さん:へーえ。
村上さん:ね。で収穫期は春まき6月。秋まきで11〜12月。
     種をまくのが
神崎さん:いまいいんじゃないですか?
村上さん:いやいいですね。
野口さん:いやそれ収穫期です。
村上さん:あごめん収穫期。種をまくのは春まきが4月で秋まきが9月中旬と。これもうちょっと前。
     で種をまく方法。種が隠れる程度の深さに、すじまき、またはばらまきと。そうとうくわし
     く書いてありますよ。
神崎さん:ほんとですねー。
村上さん:発芽の適温とか栽培方法ね。あとねー、種の取り方。
野口さん:はい。
村上さん:これ大事ですよね。
野口さん:はい。
村上さん:よいかぶを選び30センチ間隔で土の中にいけ、菜の花がはじ、開花した後、実がいっ、
     実がいったらってどういうことですか。
野口さん:実がいったらっていうんですけどね。
村上さん:あ、実がいく。
野口さん:はい。
村上さん:えーとー
野口さん:まあ、かん、完熟したらですね。登熟(とうじゅく)といいますけど本来。
村上さん:たら刈り取り、さやから外して太陽光線に数時間当てて乾燥する。
神崎さん:ふーん。
村上さん:くわしく書いてありますよー。
神崎さん:これふつう袋にこんなにくわしく書いてないですよ。
野口さん:ふつうは種取れないですからねF1は。
神崎さん:あー。
野口さん:種取っても同じものできないですから。
村上さん:あ、F1は種取っても同じものはできないんだ。
野口さん:はい。
村上さん:もし
神崎さん:だから1代かぎりなんだ。
村上さん:1代かぎりなんだ。で固定種はうまくいけば
野口さん:おんなじものが
村上さん:ミツバチさんがあんまり、そのー、あのー、そのー、お仕事を活発になさらなければ
野口さん:遠くから別の花粉を持ってこなければそれがそのまま取れます。
村上さん:(笑)
神崎さん:何回くらい取れるんですか?
野口さん:うーん花粉が交雑しないかぎり、永遠にですね。
神崎さん:ずっと。
村上さん:固定したものができるという。
神崎さん:はーあ。
村上さん:で、だからこそ種を取ってほしいから
野口さん:そうです。
村上さん:ね。
神崎さん:説明が書いてある
村上さん:ほんとうはもういちど自分で買ってほしい、野口さんのお店で買ってほしいけれども
野口さん:いや取っていただきたいですね。
村上さん:(笑)
神崎さん:(笑)
野口さん:あのどっかにそういうあのー遺伝子が残らないと、F1ばっかり、買う種ばかりになっち
     ゃうと
村上さん:あー。
野口さん:その遺伝子消えちゃうんで。
村上さん:なるほど。いやぼくねいま聞きたかったのはその伝統野菜ってのは地域の野菜だからそも
     そも固定種ってのはその土地の固定されたものでしょ? それをなんか全国に向けていま
     販売してらっしゃるのはなぜかということを聞きたかったんです。
野口さん:もともと日本の野菜でもって日本原産が野菜ってのはみつばとかふきとかですね、
村上さん:ええ。
野口さん:わさびとかそんなものしかないんですね。
村上さん:はいはい。
野口さん:あとはみんな外国から人間が持ってきた、ものですから
村上さん:はい。
野口さん:それで日本に定着したものですから
村上さん:うーん。
野口さん:それぞれのあの別の土地へ行ってまた別の環境でもってその遺伝子がまた別の発達のしか
     たをするほうが自然な、いのちだと思います。
村上さん:なるほど。
神崎さん:うーん。
村上さん:じゃあ種が育つ地域に合わせて変化して根づいていくことが大事だと
野口さん:そうですね。
村上さん:いうことですね。でいまはやっぱりそのー大量生産大量消費の時代ですから、農家にこの
     固定種をっていうのは難しい
野口さん:はい。出荷、出荷するときにロスが多すぎると思います。
村上さん:はあ。
村上さん:てことは家庭菜園にがんばってもらわなきゃいけない。
野口さん:そうですね。家庭菜園とかまたはその地元の、あのーなんですかね地場の、えー道の駅と
     かそういったところで売る、人たちですね。
村上さん:はーあ。
野口さん:昔はみんなあのー自分で食べるためにつくってその余ったものを市場へ出したんですけど
村上さん:あー。
野口さん:いまはそれがそうじゃなくなりましたからね。
村上さん:なるほどねー。
神崎さん:なんかどちらも大事ですねー。
村上さん:ですよねー。うーん。ま、F1もだからこういうご時代、時代だから
野口さん:はい。
神崎さん:もちろん必要でしょうし。
村上さん:必要だし。
野口さん:それでないと、日本じゅうの食料をまかなえません。
村上さん:いうことですよねー。
神崎さん:そうですねー。
村上さん:でも、やっぱり固定も守っていかないと。
神崎さん:うーん。
村上さん:まあアナログとデジタルが両方必要なみたいな感じですかね。
野口さん:そうですね。ただデジタル作るためにはアナログが残ってないとだめなんで。
村上さん:いうことですよね。
野口さん:はい。
村上さん:そういうことか。
神崎さん:そうか。それもまた大事だなー。
野口さん:はい。
村上さん:F1のためには固定がなきゃだめなんだ。
野口さん:そうです。固定が消えちゃうとF1も作れなくなっちゃう。
村上さん:いうことですよね。なるほど共存共栄これぞ手塚治虫の世界。
野口さん:(笑)
神崎さん:(笑)
村上さん:思いますけれども、えーその種のことについて質問がきてます。
     岡山県のイマイジュンコさん。
     大急ぎで質問します。わたしは花壇のかたすみですこし野菜を作っているんですが、
     ネギ、ほうれんそうなど売っている種がすべて外国産なのですと。
野口さん:はい。
村上さん:えーどうして日本産の種がならんでいないのか不思議なんですがと。
野口さん:あの種取り環境がなくなっちゃったんですね。あのー、種苗会社が売っている種っていうのは
     みんな採種農家があの取ってるんです。で、種苗会社が自分の畑で取ってるもんじゃないんで、
神崎さん:うん。
野口さん:その採種する農家っていうのがそのだいたいまわりにそのーなんていうんですかね
     あの山の上とかですね
村上さん:うーん。
野口さん:あのー山あいの小さな集落とかですね
村上さん:うーん。
野口さん:そのー交雑しそうもないところでだいたいまとまってその地域はみんなおんなじものを
     ってことで取ってもらってたわけですけど、
村上さん:はい。
野口さん:そういう山あいの集落とかそういう人たちが林業が不振になって、で山で生活ができなく
     なっちゃった
村上さん:はーあ。
野口さん:だからもうみんな限界集落になっておじいさんおばあさんしかいなくなっちゃったために
     ですね、種を取る環境がなくなってしまった。
神崎さん:うーん。
村上さん:なるほどー。
野口さん:はい。で外国の場合にはそのー外国の種苗会社にですね委託すると、まだそういう種を取
     る人たちが残っているんで
村上さん:うん。
野口さん:そういうところに委託して種を取ってもらうというかたちになります。
村上さん:なるほどー。だから外国産の種が多くなってきた。これも日本の農業の、ま、ひとつの
     縮図がここにもあらわれていると、
野口さん:そうですね。
村上さん:いうことですねー。
野口さん:大量生産でないと日本の農業残らなくなってきちゃったんで。
村上さん:だという。
神崎さん:うーん。
村上さん:これもいまの日本の農業が抱えている、ま、側面だと。
野口さん:はい。
村上さん:いうことですね。
神崎さん:うーん。
村上さん:さ、それではもう1曲、野口勲さんのリクエスト曲をお届けしましょう。
     ブラザーズ・フォーで、七つの水仙。


♪七つの水仙(ななつのすいせん)/ブラザーズ・フォア


村上さん:いやーこれもなんか、なつかしい曲でしたが
野口さん:はい。あのーまあ都内で編集屋から、あの種屋を継ぐことにしたときに
村上さん:編集屋っていうのは手塚治虫さんのマンガの編集。はい、はい。
野口さん:マンガですね。出版社勤めから
村上さん:ええ
野口さん:とにかく田舎暮らしをするときに、
村上さん:んーんーんー。
野口さん:なんとなくこれが自分のテーマソングみたいな気にしてですね。えー。
村上さん:ほー。
野口さん:最初に7つ、水仙7、球根7つ植えました。
村上さん:あ、ほんとに!?
野口さん:はい。
村上さん:えー!
神崎さん:まさに!
村上さん:あーそうなんですかー。
神崎さん:七つの水仙。
村上さん:そうですかー。えーきょうは埼玉県の飯能市で固定種と呼ばれるですねー日本のその土地
     に固定された根づいてきた野菜の復活を願って、えーその種を扱っている種苗店の
     野口勲さんにお話をうかがっています。
神崎さん:はい。お便りご紹介します。
     えー、ユキマツさん、長野県の30代の女性のかた。えーそのくわしく書かれた種の袋の
     お話、感動しました。そうなんです。家庭菜園をやる子育て世代は仕事もいそがしく休み
     の日は畑仕事でしょ? くわしく勉強する時間も限られています。
村上さん:うーんうん。
神崎さん:食べ方もわからなかったりするのでくわしい説明はほんとにほんとに助かり、助かります。
     きっとそういうことをも踏まえてのお仕事ぶり、感動ですとおっしゃっています。
村上さん:ねえ。
野口さん:ありがとうございます。
村上さん:これも野口さんあれですよね。パソコンのデータベースを使いながら自分で種の袋を
     ひとつひとつ作ってらっしゃる。 野口さん:そうです。
村上さん:ねえ。
神崎さん:ねえ。
村上さん:ほー。
     えーこのかたは福島県の相馬のリクガメさん40代男性のかた。
     フォーミュラーワンてゆう子さんもかなりのセンスですねー。
神崎さん:(笑)
村上さん:途中でそれ車で、あのラジオを聞きながら、それ車だよーと突っ込み入れときましたから。
神崎さん:ありがとうございます。突っ込んでいただいてー。
村上さん:でもほんとにそう思ったんだよね。
神崎さん:そうなんです。早く育つのかしらー。
村上さん:(笑)
村上さん:で野口さん質問です。固定種はF1と違って土壌のペーハーなどの違いはありますかと。
野口さん:うーん。
村上さん:ペーハーっていうのはあの
野口さん:はい。土壌の、うーん、固定種と
村上さん:うん。
野口さん:F1の違いというよりもその原産地の、あのー気候っていうか
村上さん:あー。
野口さん:土質じゃないですかね。あのペーハーに非常にうるさいものはあのヨーロッパの
     野菜に多いんですね。
村上さん:はー、ペーハーっていうのは
野口さん:あ、えーと酸度ですね。
村上さん:酸度。
野口さん:はい。あのほうれんそうなんてのは非常に酸性土壌を嫌いますんで。
村上さん:あー。
野口さん:だいたいそのヨーロッパの土ってのはあのー、アルカリ性というか石灰質が多いんで
村上さん:ええ、ええ。
野口さん:で日本の土っていうのは酸性が、酸性度が多いんで。
村上さん:はい。
野口さん:で向こうでまあだいたい育ったような野菜というのは
村上さん:うん。
野口さん:日本の土にちょっと不向きなっていうとこがあるかもしれません。
村上さん:はーあ、いうこと。
     でもね、話を聞いていて固定種に興味を持ちましたと、おっしゃっています。
野口さん:ありがとうございます。
村上さん:えー島根県のマユチチさん。
     えーわたしは肥料と農薬を使用せず自家採種を基本とする、自分であの種を取るという
     ですね、
野口さん:はい。
     基本とする自然農業を始めた3年目の新米農家です。
野口さん:はい。
村上さん:自家採種ができる固定種を探しているうちに野口さんを知りました。おかげさまで埼玉
     から嫁入りした種たちは、
神崎さん:あー。
村上さん:縁結びの地、出雲の土にすこしずつ適応しながら
野口さん:(笑)
村上さん:いのちを脈々と、えー、つむいでおります。
野口さん:ありがとうございます。
村上さん:これは出雲に固定してきたってことですね?
野口さん:そうです。
神崎さん:お嫁に行った
村上さん:えーまだまだ野菜のできない農家ですがすこしずつ会員さんにおわけをしています。
     えーきょうは野口さんが登場ということで多くの先輩や、たちに電話やメールで紹介しま
     したと、いうことですねー。種苗界の縁結び役として
野口さん:(笑)出雲ですか。
神崎さん:なるほど!
村上さん:そういうことですね。縁結びですよね。
野口さん:そうですね。土地との、土地と種の縁結びでしょうかね。
神崎さん:ふーん。
村上さん:ねえ。いまもあのあちこち講演会おでかけになって、あのーこのーとにかく固定種を広げ
     ようということで
野口さん:そうですね。ことしは終わりましたけど来年1月にえっとー、
村上さん:はい。
野口さん:埼玉の、ふじみ野と、
村上さん:うん。
野口さん:それからー東京丸の内があって、
村上さん:うん。
野口さん:2月に、えー兵庫の姫路と、
村上さん:うん。
野口さん:それから滋賀で、
村上さん:うん。
野口さん:ありますね。
神崎さん:あーおいそがしい。
村上さん:その講演会情報はあれですか。あのホームページをごらんになれば
野口さん:はい。ホームページに出しています。
村上さん:はい。
神崎さん:ふーん。
村上さん:それからきょうずいぶんいろいろ質問を含めてきましたんでどんどん紹介していきますねー。
神崎さん:はい。
村上さん:えー長野県のユキマツさん。
     えー種の話興味深く拝聴しています。我が家でも、えー、細々と畑を借りて野菜を作って
     います。夫がえー種にこだわり固定種を選んで
野口さん:ほう!
村上さん:買ってきましたと。
神崎さん:うん。
野口さん:はい。
村上さん:えーわたしには種についての説明が書かれたものを読んでもいまいちその違いがわからな
     かったのですが、
神崎さん:うん。
村上さん:さきほどの、いのちが続くということばがとても胸に響きましたと。
野口さん:はい。
村上さん:ねえ。
神崎さん:うーん。
村上さん:つまりいのちのバトンが、渡されてるわけですよね、固定種の場合おんなじこう
野口さん:そうです。
村上さん:お顔の、
野口さん:はい。
村上さん:おんなじ色の、
野口さん:はい。
村上さん:おんなじ形の
野口さん:まあその土地に、適応して少しずつ変わっていきますけどね。
村上さん:うん。
野口さん:それはまた種が勝手に、勝手にというのはおかしいですね、種が自分からそう変わって
     いくわけです。
村上さん:でもまったく同じ顔というよりはそれはおとうさんに似た顔とかおかあさんに似た顔って
     感じですか。
野口さん:そうですね。はい。同じおとうさんとおかあさんでも人間あのきょうだいちょっと違う、
村上さん:ねえ、違うぐらいでね。
野口さん:そんなようなもんです。
神崎さん:野口さんのところは固定種をこうずっとこう保存するために何かこう、さくか何かして
     らっしゃるんですか?
野口さん:いえー、あの自分で取る、あの自分で採種するぶんはいちおうせんとうやってますけれど
神崎さん:はい。
野口さん:あのーだいたいほとんどの種は日本じゅうのやっぱりそういう種を取っている地方の種屋
     さんからいただいてそれをまた、あのー販売しているわけですね。
神崎さん:はーあ、なるほどー。
野口さん:はい。ただあのおもしろいことに仙台の人は仙台のあの種をほしがったりですね、
神崎さん:はい。
野口さん:沖縄の人が沖縄の種をほしがったり、
神崎さん:はい。
野口さん:結局各地方でみんな種屋がどんどんなくなってホームセンターになっちゃったためにです
     ねー、
村上さん:はーあ、はあ、はあ。
神崎さん:あーはい。
野口さん:自分のところの野菜が手に入らなくなってきてるみたいですね。
村上さん:うんうん。
神崎さん:なるほどー。
村上さん:えーわたしも飯能在住ですというですねー、えーコポマルさんというラジオネームのかた
     40代の女性のかた。
     庭がせまいので残念ながら家庭菜園は難しいのですが、地元農家の野菜直売所の野菜を
     よく買っています。ここいらの野菜がおいしいのは野口さんのおかげでしょうか?
野口さん:うーうーうーうー、わからないですねー、あのー。
村上さん:(笑)
神崎さん:(笑)
村上さん:えーちなみに夫は学生時代ちょくちょく虫プロに遊びに行っていたそうで野口さんにお会
     いしたことがあるかもしれません。なんだかご縁があるようでメールしましたと。
野口さん:ありがとうございます。
村上さん:徳島県のタカユキさん。60代男性のかた。
     秋に野口さんからいただいた固定種のにんじんをつくりました。
野口さん:はい。
村上さん:おとといお客さんに、にんじんのはっぱをジュースにしたので、えーしたいのでおみやげ
     に差し上げましたと。
     にんじんそのものとか、葉っぱで。
野口さん:おいしいですよ。
村上さん:はーあ。
神崎さん:えー。
野口さん:サラダでもいいですしね。
村上さん:あ、そうですか。
神崎さん:へーえ。
野口さん:てんぷらでもいいですし。
村上さん:これも固定種だから
野口さん:うーんー、そこんとこわかんないですけどね。
村上さん:味がいいのかもしれませんね。うーん。
     それから、えー北海道のホリリツコさんですが、
     工業製品のような野菜とのことばにすこし笑ってしまいました。実家に帰ったとき、まる
     かじりするトマト、にんじんくさいにんじん、切ったときに汁がこぼれてくるねぎ、
神崎さん:うん。
村上さん:それらは昔ながらの種類ではないと思うのですが、えー野口さんのように昔からの種を
     大切にされているかたが存在していることを知ってありがたく思いました。
野口さん:ありがとうございます。
村上さん:えーやっぱりこう固定種にはそういうものが感じられますよね。
神崎さん:そうですねー。
村上さん:にんじんくさいにんじん、
野口さん:はい。
村上さん:汁がでるねぎとか。うーん。
     それからですね。ラジオネームこのかたはリミさん。
     子育て7か月の男の子を子育てしながら聞いています。初めてメールをしました。以前か
     ら食や農に興味があり、将来家族で農、農業のある、農のある暮しをしたいと思っていま
     す。生命や自然のありがたさを感じながら作る有機農業に興味を持っています。
神崎さん:うん。
村上さん:現在大手バイオ企業などが種子などの特許を独占したりしていて
神崎さん:うん。
村上さん:遺伝子組み換えの種子などの開発で経済的に市場の独占をしたりする問題があると聞きま
     した。
神崎さん:うん。
     固定種を守り続けることはとても大切だし、自家採種できればだれでも野菜作りができる
     という点ではとてもすばらしいと思います。現在の遺伝子組み換えやF1の影響で固定種
     も、えー、そのいろんなことで、もまれていってしまうんでしょうかという。
野口さん:そうですね。いま遺伝子組み換えの種がこぼれて、でー日本のその固定種の菜っぱ、自家
     採種ができなくなるんじゃないかという、非常に、、
村上さん:危機感がある。
野口さん:困った、危機感がありますね。はい。
村上さん:はー、ちょっとそのへんは野口さんも懸念をいだいていらっしゃるということですねー。
野口さん:はい。種苗業界みんな困っていると思います。
村上さん:ずいぶんたくさんのメッセージがきました。えーほんとうにありがとうございました。
神崎さん:ねー、ありがとうございますー。
村上さん:ちょっとお時間がきてしまいましたので。
     まああのー野口さん冒頭にそのー手塚治虫さんの編集者をしてきて、ま、そのー
     手塚さんといえばやっぱり火の鳥が、これも代表作ですけれども、あのー手塚さんていう
     のはそのーいのちとかあるいは地球環境を守るということをこうーずっと訴え続けてて、
     とくにこの火の鳥という作品には手塚さんのそういう心血がそそがれてますよねー。
野口さん:はい。ぼくは火の鳥のあの初代の編集者でもありますんで、
村上さん:えー。
野口さん:でーとにかくー、あのー火の鳥というものは、いのちを続いていく地球生命というか、
     コスモゾーンといういいかたをマンガのなかではしてますけどね、
村上さん:うーん、うーん。
野口さん:そういういのちを続けていくことが、あのー、ま、こういう固定種の種をやろうと決めた
     ときに
村上さん:うーん、うーん、うーん、うーん。
野口さん:ちょうどあの手塚先生に火の鳥くださいと、
村上さん:あー。
野口さん:看板に使わせてくださいとお願いしたんですね。
村上さん:あのうちの看板は、お店の看板はそういう意味もあって火の鳥がかかげられているんです
     ね?
神崎さん:はーあ。
村上さん:やっぱり火の鳥っていうのはもう転生を繰り返しながらいのちを受け継いできたわけです
     けども
野口さん:そうですね。ぼくも人生、ちょっこっとあの火の鳥種屋編みたいなつもりでやっておりま
     す。
村上さん:あー。
神崎さん:うーん。
村上さん:ねえ、いのちをこうつないでいくっていうことばが印象に残ったっていうかたもいらっし
     ゃいましたが、ほんとにまさに、種で、いのちを、つないでいく。
野口さん:はい。
村上さん:それが野口さんの、思いと。
野口さん:そうですね。
村上さん:ふーん。火の鳥種屋版、うーん、フェニックスですね。
神崎さん:なるほどねー。
野口さん:はい。
神崎さん:野口さん、大事なお仕事されてますよねー。
村上さん:そうですよねー。えーきょうも放送を聞いてみなさんがあのすこしでもこの固定種に関心
     を持ってもらえればというのが
神崎さん:えー。
村上さん:野口さんの願いでもあります。
神崎さん:うん。
村上さん:またあの野口勲というあの勲さんていうのは勲章のくんの字ですけれどもね。
野口さん:はい戦争中に生まれたもんですから。
村上さん:(笑)そうなんだ。えーまたーあのホームページなどを検索していただければいろんな情
     報もありますし、野口さんのご本、えーとご本があったあった、「いのちの種を未来に」
     という、いのちがこの本のタイトルにもね使われておりますが。この本もまた読んでいた
     だければくわしくその固定種についておわかりになろうかと思います。
野口さん:そうですね。種のことを一生懸命書きました。
村上さん:どうもありがとうございました。
野口さん:はい。
神崎さん:ありがとうございました。
野口さん:ありがとうございました。
村上さん:えーきょうは野口勲さんにお話をうけたまわりました。あしたはときめきカルチャーです
     ね。えー山本一力さんをおむかえして大江戸案内、あしたはスペシャル版で坂本龍馬に
     くわしくなろうという大江戸案内でございます。
     きょうの放送はこのあと11時5分ごろから続けていきます。

♪音楽


〒357-0067 埼玉県飯能市小瀬戸192-1 野口のタネ/野口種苗研究所 野口 勲
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