みやま小かぶ

(金町系小かぶ)
【アブラナ科。伝統小かぶの最高峰。味噌汁や浅漬けのほか千枚漬けにしても美味しい】
「みやま」の名称は、奥武蔵(飯能)の深い山中の採種地の意と同時に、川越・斉藤農園、所沢・古谷採種園、飯能・野口種苗研究所の3者共同しての育種活動という意味を持っていた。
「みやま小かぶ」は、やや扁平で早生の金町小かぶと腰高で中生の樋の口かぶを自然交雑させ、豊円で玉割れ少なく均整とれた形状と、緻密で甘味に富んだ肉質を目的に、選抜固定した最高品質の小かぶである。
 一代雑種(F1)時代直前の約10年間、「日本蔬菜原種審査会」の小かぶの部は、3者が交替で最優秀賞を受賞し、名実共に日本の小かぶの最高峰であった。
 後の交配種時代になっても、小かぶの基本的な形状は、みやま小かぶのそれを受け継いでいるが、これは3者のいずれかから購入した種子が、メーカーの育成親の基本的な部分に受け継がれているからであろう。 (肉質は小かぶと思えないものに変質しているが)
 斉藤農園が廃業し、古谷採種園が小売専業となった今、当店だけが細々と、昔通りのみやま小かぶの育成採種を続けている。
 春秋蒔けるが、9月に蒔いて初冬に収穫したものが最も美味であり、栽培も容易である。
 ばら蒔きし、10〜15cm間隔に間引きながら肥大させる。中生かぶの血筋が入っているので、直径10cm以上に育っても玉割れせず、寒さに向かって甘味が増し、千枚漬けにして非常に美味しい。
 かつては、金町系質の強いものを「みやま早生」、樋の口系質を「みやま中生」、両者の中間型を「みやま四季蒔」と分けていたが、採種農家も僅かになった今、各地種苗店から注文が有り、市場でもっとも普通に見かける小かぶと同型の(先祖だもん)「みやま四季蒔小かぶ」のみ採種している。

■みやま小かぶ種子(生産地/埼玉・飯能)の発芽試験 2000.7.16/実施
2000.7.18/発芽率100%確認(発芽勢最強) by I.Noguchi

〒357-0038 埼玉県飯能市仲町8-16 野口のタネ/野口種苗研究所 野口 勲
Tel.042-972-2478 Fax.042-972-7701 E-mail:tanet@noguchiseed.com


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